英語の倒置で文章構成が分かりづらくなる
The government could have reaped as much as 20 billion dollars in new tax revenue had it succeeded in attracting company A.この文章を一読するとおやって思う人が多いと思います。なぜなら語順がちょっとおかしい箇所があるからです。それはhad it succeeded in attracting company Aのところです。could have reapedがメインの動詞だと思っていたら、良く分からないところにhadが出てきます。
この文章が少し分かりづらい理由が、主節とif節の間にカンマがなく、主節の後ろに配置されたif節の中では倒置でhadが前に出ておりifが省略されているからです。このため仮定法過去完了である文章構成が分かりにくくなっています。ちなみにif節の中の倒置がない場合の文章は下記のようになります。
[ The government could have reaped as much as 20 billion dollars in new tax revenue ] [ if it had succeeded in attracting company A ].
こうなると前から読み進めても簡単ですね。主節とif節の主語と動詞に色を付けておきます。一応意味を書いておくと「もし政府がA社の誘致に成功していたら、200億ドルもの新たな収入を得ることができたでしょう」
なぜ英語で倒置文を使うのか?
英語でなぜ倒置が起きるのでしょうか?いろいろな形の倒置がありますが、倒置を使う基本的な考え方は、強調して相手の注意を引きたいからです。文の語順を少し変えることで相手の気を引こうということです。日本語と違って、英語は結論を先に持ってくることが多いのですが、一番大事な情報は最初にもってこようとする伝え方をするため倒置が起きます。
仮定法ifの倒置
いろいろな形の倒置があると書きましたが、今回は仮定法ifの倒置についてお伝えします。ifを省略して疑問文のかたちになるのですが、何でもかんでも倒置にできるわけではなく条件があります。be動詞(were)があるとき
Were I rich, I would buy you a car.→ If I were rich, I would buy you a car.
had + 過去分詞があるとき
Had I had money, I could have bought the latest computer.→If I had had money, I could have bought the latest computer.
shouldがあるとき
Should it be sunny on Sunday, we would go shopping.→If it should be sunny on Sunday, we would go shopping.
一度覚えてしまえばそれほど難しくはありません。ちなみに倒置は基本的には会話では使われません。